ラブ登山1

※洗濯機が回っている間にブログを書いています。

 

暇になると恋がしたくなる。こういうと恋多き人の言葉のように響くが、私はいまだに恋が成就した経験がなく、20代半ばにしてキスの仕方さえも知らない。

当然のように同年代の猥談などには実体験を持たない私の席はなく、ただただ苦笑いをするか、過去のアルバイト現場で遭遇した迷惑な客の話で逃げるかの二択である。

そんな状況を打破するべく、隙があれば恋を探すようにしているスタンスをとっているつもりではあるが、どうもうまくいかない。

 

最近、生物学科の後輩達が集まっている動物行動学の輪読会*1に他学部の老害として参戦して3~4回目の会を経たが、動物行動が適応的かどうかを判断する指標の一つとして、それがモテにつながるか否かを考える必要があるシーンがしばしばあった。動物によって何が生殖に有利になるかは異なるので、直接的に自分がモテるにはということを考えるという作業はなかったにせよ、そういう頭の働かせ方に不慣れであるということは、この輪読会を初めてから得た気付きであり、色々と教科書を読み進めていくうちに、自身は恋愛のみならず自然についてあまり体験として語れること、自然と触れ合う経験が少なかったという方向に思考が展開して、気がついたら私は山に登っていた。

 

時間の都合上けっこう過程をぶっ飛ばしたが、こういうわけで私は恋を知ろうと考えた結果登山をするに至ったのである。以下最近の登山の話。

 

某地元の掲示板での適当な数人で山に登ろうとの人員募集を見つけて、それに参加するかたちで実行したので、一応出会いを求めるという方向性についても完全に度外視したわけではない計画の元での登山であった。

場所は手稲山、某心霊スポットを入り口とする方向から男2女2での集団行動のはずであった。しかし、私は登山開始開始早々に足元にいいツヤをしたコクワガタを見つけてしまい、そこを皮切りに周囲の景色に酔いしれていき、どんどん周りが見えなくなって、残りの3人を置いて単身ずんずんと山奥に進み、気が付くと登山客の誰もいない、人間が通るように整備されていない感じの藪の中で、手を切り傷だらけにしてたたずんでいた。自然の脅威を知らないシティホモサピエンス一匹が、山に魅せられて、好奇心のままに、日ごろランニングで鍛えている中途半端な脚力を頼りに、傲慢にも藪をかき分けて進んだ結果、軽く遭難してしまった。

なんとなく、頂上を目指していたので、傾斜を下る方行へ進めば元の整備された道に戻れる気はしていたが、それにしてもさっきまで聞こえていたにぎやかな登山客の声や、やかましかったクマよけの鈴の音が一切聞こえなくなっていた。耳を澄ましても、都会の喧騒に慣れた耳では、ただ近くの藪が風に揺られて静かにこすれあう音と耳元で飛びかう羽虫のホバリング音くらいしか聞こえず、ほんの少しではあるが死を意識させられる瞬間があった。

 

中途半端なところではあるが、洗濯機が止まったのでもう寝る。

(気が向いたら明日続きを書く)

 

※夏っぽいノリの曲で恋愛テーマに沿ってそうで好きな曲

youtu.be