1000円カットで散髪したら毎度強豪校の女子バスケ部員っぽくされる話

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身だしなみに無頓着であり、パジャマで講義を受けてあまり喋ったことのない同級生に注意されたこともある私は、散髪に関しては1000円カットで済ませている。しかも、散髪の頻度は3か月に1回なので、正味月に散髪にかかる費用は333円程度であるという計算になる。最近(といっても去年の10月くらいの話だが)、数理社会学会の監修する「美容資本」(※1)という本を買って、身だしなみを整えるとどれくらい生活する上でいいことがありそうか、統計的なデータを見ようとしたが、序章までに世帯収入の平均にして147.6万円程度多いという話を見て、ある程度才能も必要でばらつきも多いであろう美容の分野に投資しても150万円弱「しか」年収に影響しない(平均より下の見た目がデフォルトならこれよりも高い影響も見込めなそう)なら、大人しく最低限清潔にだけして勉強している方が人生豊かになるかなと思い、序章で読むことを中断してしまっている。この本自体は数理社会学会が30年分のデータを統計的に解析して見えてきたことを書いている本なのでとっても面白い試みだとは思うし、見た目が生活に与える影響に興味がある人は是非読んでみて欲しい。(脳学校メンバーで借りたい人は私までご連絡ください)が、やっぱりどうにも見た目に力を入れてお金をかける気にはなれない。

そんなわけで、今日(2020年1月6日)散髪に行った際もやっぱり1000円カットで済ませてしまった。カットモデルに応募するという0円で散髪してもらう裏技っぽい手段も2年前までは使っていたが、散髪に時間がかかるし予約しなければいけないし気が利いてないのに変に会話してこようとしてくるしでストレスが勝るので、時短とストレス軽減を考慮した上で1000円カットを選んでいる。私のよく行く1000円カットは初老のおじさんが一人で接客をしており、おじさんの機嫌がよほど良い時には話しかけてきて若干うざいが、そうでないときには黙って迅速に注文した条件を最低限満たした髪型にしていただける。今日のおじさんは、年明けの影響か機嫌がよく、けっこううざい感じであった。この店は気に入っているのでここ2~3年通っているが、散髪頻度が3ヶ月に1回なうえときどき浮気するので、全然おじさんは私を覚えない。何回目かの学生さんですか?の質問に対して、私は今回ちょっとしたチャレンジ精神であえて薬学生であることを付け加えた自己紹介をしたところ、おじさんの機嫌が良かったこともあり会話を展開することになった。適当に架空の薬学生ライフを話していたので会話の内容はほとんど記憶していないが、「ちなみにさ、痩せる薬とかってないの?」という質問に対して、湘南美容外科クリニックでGLP-1アナログ(新しめの糖尿病の薬)が肥満治療目的で適応外処方されていた(※2)ことを思い出して「糖尿病の薬ですかね」と答えたことは鮮明に記憶している。(ちなみに私はこのGLP-1ダイエットは米国の超肥満体型人間向けのもので、ダイエット方法としてきらびやかに宣伝することはあまりよくないと思っている)他にも頭に浮かんだ薬として、脳に効いて食欲を無くすマジンドールという薬(※3)もあったが、説明が面倒そうで、かつ、伝わらなそうなのでボツにした。かくして、会話も乗り切り、ブラシ付き掃除機で頭に残った毛髪切片を回収していただいた後に帰宅して鏡をみて仕上がりを確認したところ、案の定強豪校の女子バスケ部員のような、スポーティーな女子の短髪の感じになっていた。毎度この髪型に仕上げる再現性はプロの技の賜物であるなと今日も感心したのであった。

※1

www.keisoshobo.co.jp

※2

www.s-b-c-biyougeka.net

※3

medical.nikkeibp.co.jp