攻撃性について(フェードアウトした過去作)

攻撃性について

攻撃性(aggression)とは、心理学の定義でいえば、相手を傷つけたり損なったりを意図するあらゆる言動を指し、敵意による衝動的なものか計算されたものであるかは問わない。例を挙げると、治療を目的として足つぼをぐりぐり押して結果としてあなたに痛みを与えるマッサージ師には攻撃性は無いし、あなたが気にするかしないかは別として、ネット上であなたの陰口をたたいて貶めようとする隣人には攻撃性があると考える。以下、この意味で「攻撃性」という言葉を見て行ってもらいたい。

 

と、お堅い感じで書き始めたんですが、調べたことをパラパラっと並べ立てていくだけのコーナーなので、気楽に読んでいってください( ´∀` )

 

1.攻撃性は遺伝する。(一卵性双生児での強い相関や、実験動物で攻撃性の高い種を育種できることから)

 

2.攻撃性は特定の文脈を必要とする複雑な行動で、脳の一か所で制御されるわけではなく、システム単位でコントロールされる。

 

3.温厚な女性の偏桃体に精神外科医が診断目的で電極を刺したところ、電流を流した途端にその女性は怒鳴り出し、医師を引っ叩きだした例がある。

 

4.暴力犯罪者には前頭葉の活動減少がみられる。前頭葉が損傷、不活性化、離断、未成熟のいずれかだと攻撃性をもちやすい。

 

5.テストステロン(男性ホルモンの1つ)は攻撃性を制御する神経システムに影響する。

 

6.暴力犯罪者の傾向として、テストステロン濃度は平均以上、知能検査得点は平均以下、セロトニン(神経伝達物質の1つ)濃度は低濃度という事例が多い。

 

7.顔幅はテストステロンに関連する特性で、幅が広いほど攻撃性は高い傾向にある。

 

8.高濃度テストステロンは、易刺激性、自己主張性、衝動性、フラストレーションの低耐性と相関する。

 

9.高濃度テストステロンは、怠慢や麻薬使用、攻撃的にあたりちらす反応などと相関する。

 

10.攻撃性の高い人は飲酒割合が高く、酔うと暴力的になりやすい。

 

11.暴力犯罪の10件に4件、配偶者虐待の4件に3件はアルコール常習者によるものである。

 

12.アルコールを体に入れたと思っているだけで何らかの効果が出る。

 

13.知らずにアルコールを飲んでも効果は出る。

 

14.アルコールを飲むと、どうともとれる行動も挑発と受け取る割合が高まる。

 

15.何らかの目標を達成するのを邪魔されること(フラストレーション)が怒りを生み、攻撃性を作り出すという原理を「フラストレーション―攻撃原理(frustration-aggression principle)」という。

 

16.デッドボール率は気温とともに上がる。

 

17.暴力犯罪や配偶者虐待の率は、高温の年、季節、月、日に高い。

 

18.品行の悪い子供の親は、子供の癇癪に対して負けて報酬を与え、腹が立つとたたいてこらしめる傾向にある。

 

19.富裕層と貧困層の格差が激しい国では犯罪率が高い。

 

20.(アメリカでは)父親がこの教育を顧みない家庭では、暴力発生率が高く、父親不在で育った子供はそうでない子に比べて、更生施設送致率が2倍である。

 

21.「男らしい名誉」を重んじる牧夫文化の町(スコッツ=アイリッシュなど)の子孫は、ほかの文化圏と比べて殺人率が3倍で、子供への体罰や敵国への先制攻撃や規制なき銃所有の支持が多く、登校生徒の武器所持率も高い。

 

22.レイプ犯罪者のほとんどはレイプ神話(一部の女性はレイプを誘ったり楽しんだり、「やっている」うちに「ながされる」という考え)を信用している。

 

23.テレビを観てばかりいる人は、テレビをほとんど見ない人よりもレイプ神話をその気にしている割合が高い。

 

24.ポルノ動画視聴者の大多数は表立った性犯罪に加担していないが、レイプ神話を現実であると考える割合は高い。

 

25.ポルノグラフィの過度の利用は男子大学生の高い攻撃性を予測する。

 

26.客観的な恐怖への反応の強さは偏桃体で予測が可能

 

27.主観的な恐怖の強さは前頭前野で予測が可能

 

28.おなかが減るとイライラして攻撃性が増す。(血中グルコース濃度の低下に対してアドレナリン、コルチゾールなどストレス関連物質の分泌が応答し、それに加えニューロペプチドYという攻撃性を高める物質の分泌、というながれで説明される。(ついでに非理性的な行動も増える。))

 

29.攻撃性と暴力的な内容のゲームのプレイとの相関は、賛否両論分かれる(関連があるとは言い切れない)

 

30.攻撃性を高めるホルモンは骨中のたんぱく質(オステオカルシン)かも知れない。(ストレス条件下でコルチゾールとかより早く高濃度になり、コルチゾールKOマウスでもストレス反応は起こるし、オステオカルシン注射でストレス反応が出るから。)

 

以上、ざっくりこんな感じの情報が集まりました。

いかがでしたか?来月からもこんな感じで投稿していこうと思いますので、「こんな感じでまとめたらもっと見やすいのに」とか、「次はこのテーマについて調べてほしい」等、何かあればぜひコメントをお願いします。次回はクリスマス前に投稿しようと思いますのでお楽しみに。

※もうこの活動はやってないです。懐かしい。(2021.7.8)

 

参考資料:

暴力の解剖学: 神経犯罪学への招待 単行本 — 2015/2/26
エイドリアン レイン (著), Adrian Raine (原著), 高橋 洋 (翻訳)

カラー版 マイヤーズ心理学 単行本 — 2015/4/1
デーヴィッド マイヤーズ (著), David G. Myers (原著), 村上 郁也 (翻訳)

非行・犯罪心理学――学際的視座からの犯罪理解 単行本(ソフトカバー) — 2015/5/12 松浦直己 (著)

www.atr.jp

www.womenshealth.com.au

jp.gamesindustry.biz

gigazine.net