バレンタインデーに臭過ぎる部屋で餃子を食い散らかす高慢なオタクが一人…の話

まえがき:

「三つ子の魂百まで」でいう「三つ子」は数え年での年齢なので、正味2歳までに一生続く性格が決まってしまうという恐ろしい諺がある。しかし、もっと恐ろしいことに生まれもっての遺伝という要素のために育ちではどうしようもない性質(数学的な才能などが有名*1である)があったり、さらにその前の子供をつくる段階においても、親の年齢によって子供の将来的な疾患にかかるリスクが分子レベルで左右されるのではないかという話もあって、地球星人の中で、男はいくつになっても若い嫁をもらって子供をつくれるから大丈夫でしょう、的な記述を見かけたが、男でも加齢とともに精子の質が低下して、歳を取った男親の子供は神経発達障害のリスクが高くなる可能性が言われ始めているらしい*2。諭吉はそんなことを知らなかったであろうし、結局「学問ノススメ」*3の内容に慶應義塾への入学勧誘的側面があったと考えられる以上、学歴を盲目的に信仰してお勉強バカになったとしても貴賤をひっくり返せる保証は何もないと適当に諦め、成り上がりの手段としてではなく純粋に生まれつきのバカなりに学問を楽しみ人類の叡智に感謝して慎ましく暮らすということが、育ちも生まれも生まれる前も最早変えられない段階に来た人間の取るべき態度ではないかと思い始めている今日この頃である。

ダラダラと書いたが、つまり私は上記のような考えの元、あんまり一生懸命努力したとしても人間としての根本的な部分は変わらない歳になってしまった、と20代前半にして余生を送っているような気分に浸っており、どうせ変われないを免罪符に生活のあらゆる面で怠惰な毎日を送っているのである。

 

本文:

ところで、昨日はバレンタインデーであった。前もって頼んでおけば知人女性からチョコレートが奢ってもらえる可能性の高いこのイベントが私は大好きである。義理チョコという文化が滅びない限り、私は何人の女性に予約をしてもこの日だけは許されるので日本人の慣例には何となく従う気質に毎年感謝するのが私にとってのバレンタインデーである。

今年はすっかり予約を忘れており、唯一前日の23:00頃に予約した友人にも断られてしまったので、地味に人生初で1つもチョコレートを貰えないバレンタインデーを経験することとなった。バレンタイン当日に予約するというのもおかしな話だと考え、予約はこれ以上しなかったので、恐らく今日の朝に外出してもチョコレートを貰えることはないだろうと諦めている。予約していなかったのであるから当然の話である。

予約による義理チョコがなくても本命のチョコレートの可能性がまだ残っているではないかと思われる方もいるかもしれないが、私がこれまでの人生で家族以外から本命という名目でもらったチョコは2つで、1つは醤油とからしを練りこんであり食べた私のリアクションをみて笑うための「毒チョコ」で、もう1つは誰にでも本命を配るマドンナ気取りに土下座して得たお情けの「本命」チョコであった。つまり、一般的な定義での本命チョコは貰ったことは無く、これに期待は出来ない。

そもそも私は女性を魅了するような生活を送っておらず、大変散らかった部屋に住んでいるうえに、ここ最近はしばらく生ごみを捨てていなかったので部屋がかなり臭くなっていた。特に消費期限切れの生肉の放つ異臭は強烈で、洗濯物にまでその匂いがつくと外でご迷惑をおかけすると思い、換気扇を回した風呂場に洗濯物は非難させているような状態が2週間くらい続いていた。そんな劣悪な環境であっても、日中あまり家に居ないこともあって掃除は後回しになっており、自炊がメインなのでかさ高いプラゴミなどが積み重なることもなく、ゴミ自体が部屋を圧迫はしていなかったので、生ゴミ捨てさえも後回しになっていた。

バレンタインデーではあるものの、予約を回収する用事もなく、他の外出予定もなかった私は、その臭い部屋でダラダラと一日勉強をして過ごすことにした。

 

チョコレートの予約はし忘れていたが、日曜に行われる無料オンラインセミナーの予約はしていたので退屈することは無かった。オンラインセミナーの内容は「医療通訳」についてで、3時間講義を受けたりディスカッションをしたりで休憩は5分のみという結構ハードな時間設定であった。私は学部卒業後に大学院留学を考えており、今年は英語を磨く年にしようと思い、適当に英語を使いそうな無料のセミナーにノリで参加したという背景があった。(札幌国際プラザのサイト*4から参加した。)

初級のセミナーを予約したうえに内容が医療関係で、20ヵ国くらいの留学生と遊んでいた経験のある私は、他の参加者にはまぁ遅れは取らないだろうと思って事前に配られていたテキストに目を通すこともなく参加したが、このセミナーを通して、いかに自分のしていた英会話のレベルが低く、医療の知識について乏しいかを痛感することとなったのであるがこれを書くと文字数が倍になるので今回は割愛する。

とにかく日中は、セミナーをうけて自分の能力に対する過信を改めて思い知り、臭い部屋に住む根拠のない自身によって自惚れたモテないオタクである現状を深く胸に刻み込んだのである。

 

セミナー終了後、自分の不甲斐なさを悔しいとは思ったし、この悔しさを共有する相手もいないのでちょっとだけ泣きそうになっていたが、性根が腐っているのでそこから寝っ転がってYoutubeを見始め、そのまま数分もしないうちに寝落ちして、気が付いたら夜の20時になっていた。

正味何もしていなくても、腹は減るものである。暗くなった臭い部屋で目覚めた私はまず冷蔵庫を開けてその灯りを頼りに部屋の電灯のスイッチまでたどり着き、開けっぱなしの冷蔵庫からありあわせの材料を取り出して餃子をつくった。ハマっているアイドルの日向坂46のキャプテンがよく餃子をつくっているのをみて、いつもいいなと思っていたというのも餃子作成のモチベーションとしてあったのかもしれない。

餃子と白飯という組み合わせに酢をかけて、いただきますも言わずにキッチンで立ったまま、急ぐ意味もないのにかきこむようにして夕飯を胃に詰め込んだ。

 

振り返るとしょうもない一日だったと思いながら、臭い部屋の高慢なオタクという現状をちょっとでも改善すべく生ゴミを捨てに行き、ほんの少しだけ本を読んで勉強して、これまでの怠惰過ぎる生活を改めて余生をもうちょっと楽しくするよう反省したのであった。

 

あとがき:

毎週日曜日は何かしら反省している気がするので、これもこの歳ではもう変えられないどうしようもないことなのかもしれません。しかし、今回内容の説明を割愛したセミナーでは、おじさんおばさんが間違えを恐れず積極的に学ぶ姿勢を示して活き活きと参加されていて、たとえ結果的に変化が生じなかったとしても余生を楽しくするという意味で今以上にもっと真剣に勉強するのも悪くないのかなと思いました。

何もしてないおすねかじり虫の若造のくせに老け込んでいるのはただのバカですよね。

今週「こそ」頑張って生きていこうと思います。