プレゼントという響きがそもそもキザ

※制限時間40分でブログを書いています。

 

大学院入試の合格発表があった。私自身の入試ではないから、研究室にいる修士課程へ進学する後輩と、博士課程へ進学する先輩のお祝いを準備する日であった。

プレゼントをするというのは嫌いではないので、研究室内でそういう文化があっても無くても私は勝手に記念品を押し付ける。後輩には、院へ進学して鬱になる人間が多いと聞くから「うつ病九段」*1という鬱病になった人が書いた闘病記を渡し、自称読書好きな先輩にはショーペンハウエルの「読書について」*2をプレゼントした。

ご両人ともリアクションに困った様子ではあったが、なぜこれを渡したかキチンと理由を説明したら納得していただけた。内容を知らないようなので渡した甲斐はあった。

 

こういうプレゼントを渡す機会というのは人生で何度か経験してきたが、いまだにスムーズな流れで渡せたことがないし、逆にプレゼントをいただいた際に相手の期待していたであろう態度を示せた試しがない。そもそも注文した品ではないものが出てきて、予想より嬉しかったという経験は食事くらいでしかなく、自身がプレゼントをされて嬉しかった経験もないのに相手がものすごく喜ぶようなものを考えるというのはかなり難しいことのように思える。余談ではあるが、食べ物を食べたときには口先における味の評価と腸管での栄養の評価が脳に届けられており、それらを合わせてもっと食べるべきものであるか、食べ物の価値を脳は判断しているという話を聞いたことがある*3

 

プレゼントを渡す前、後輩くんがすれ違いざまに「院試受かってました~」と報告してくれたが、ここでもリアクションに困った。彼が別の先輩と話している際に院試をただの通過儀礼だと話しているのを昨日盗み聴いていたので、私はてっきり後輩くんが院試に対して受かって当然の学歴スタンプラリー感覚で捉えているものと思っていたから、そんな彼にとって他愛もないであろう話をわざわざ報告してくるとは予想していなかったので、不意打ちを食らったのである。

「お~、おめでとうございます」とAIスピーカーよろしく感情のこもらない返答をしてしまい、それ以上会話を展開することもなく、「改めまして今後ともどうぞよろしくね」と勝手に締めくくり立ち話をせずにサッサと逃げるようにその場を後にした。

そんな合格報告を雑にあしらった人間がプレゼントを用意していて、急にうつ病の本を渡してくるのだから、後輩くんがリアクションに困るのも仕方がないことであったとブログを書きながら今、反省した。

 

先輩の方は報告してこなかったし、なんなら院試を受けたことすらも私が人伝に勝手に聞いたことなので、そんな薄い関係の人間から急にプレゼントをもらってもという感じのリアクションだったのかな、などと後輩くんとの接し方と一緒に反省している。

 

私は学部卒業後、今の研究室に残るつもりはないのでご両人より先に消える予定であるが、今後とも仲良くしていこうと勝手に思っている。40分経った。

 

※適当に好きでいっぱい聴いてた曲

youtu.be