老害という言葉を使うのは老害予備軍だと思う話

まえがき:

ブーメランはオーストラリアの伝統的な狩りの道具である。地理的にも日本とは離れた場所発祥で、博物館などでも似たような日本製の武器を見たことはないが、なぜかブーメランの認知度は高い。

私のお友達に教えてもらった知識の中でよく日常で観測するものが、ある人が特定の行動に対して怒っているときには、その行動はその怒っている人が普段周りに対してとっている行動であることが多いという話である。ある人が相手に対してした指摘が、指摘した当人にも当てはまる指摘だった場合、指摘された相手が「ブーメラン乙」等煽って不毛なチャットバトルに発展するパターンはYoutubeの複数返信が付いているコメントを探していけば5分もかけずに見つけることが出来るのではないだろうか。

そう考えると、「人の振り見て我が振り直せ」という諺は、他人を見て気になってしまう行動は自分も取っている可能性が高いから積極的に戒めていこうという意味でとらえると、自分に刺さるブーメランを投げて余計なストレスをためることを減らせる先人の知恵として、けっこう理にかなっていることなのかもしれない。

余談ではあるが、特定の神経回路の活性化により血管の壁に免疫細胞が通れる侵入口が部分的に出来ることをゲートウェイ反射と言い、このゲートウェイ反射がストレスによっても誘導され、ストレスゲートウェイ反射によって胃や十二指腸が炎症を起こして出血して、心機能の低下による突然死の引き金になるという話がある(※1)。原因がストレスによるものかは分からないが夏目漱石胃潰瘍で死んだらしい(※2)ので、私はストレスから来る胃の痛みをとても恐れていて、ストレスフリーで胃腸にやさしい生活を目指している。

 

本文:

非常識を目指す人間は常識に精通していくように、ストレスフリーな生活を考える私はストレスフルな生活をしているように見える人々を観察して反面教師としている。同年代でよく怒ってらっしゃる方々が頻繁に利用されているように思われるワードの1つに「老害」というものがあるように思う。どこの誰が考えたか分からない言葉だが、老人は敬うべしと刷り込まれる日本人の所業とは思えない面白い言葉である。

ネット辞書に書いていることを参照する(※3)と、傍若無人な振る舞いで若者に対して必要以上の迷惑をかける老人のことを指す言葉らしい。老害というワードが使われ得る場面としては、若いというだけで軽んじられてしまって若者個人が不利益を被る場合から、年長者の非合理的な判断により合理的な判断が排斥されてコミュニティ全体の不利益となっている場合まで、適応範囲が幅広く考えられるが、「あれ老害だよな」と発信する人間にはブーメランが刺さっているんじゃないかと思う場合が少なくない。

もちろん、老害という言葉のネット辞書的な意味で考えると、老害と発する人間が若者である場合老害には該当しないが、老害老害たる所以を考えた場合、その問題の焦点は老害と呼ばれる人の言動や思考パターンにあり、その老害的言動や思考パターンも含めたうえで「老害」を広義で捉えなおすと、「老害まじでクソよね」とおっしゃる人間は「老害」であることが多いんじゃないかと思っているのである。(同じことを2回言いました。)

というのも、まえがきの通り人が怒っているときには、その怒らせるに至った行動を起こっている人自身が取りがちだという偏見が私にはあるというのが1つ、そう思う理由としてある。もう1つそのように思う根拠として、老害と呼ばれる人間も呼ぶ側の人間も共通して自分以外の立場に立って考えることを苦手としているがために、周りに平気で迷惑をかけたり、「老害じゃん」と喚く人間に対する周囲からの哀れみも気付かずに発信するに至るのだ、という偏見がある。どちらも自身の経験を根拠とする偏見である。客観的な根拠もなく自身の経験ベースの偏見を喚き散らすのも「老害」の特徴ではないかと思う。

つまり、私も老害予備軍の一員であり、このブログの投稿によりでっかいブーメランが刺さっている。

 

あとがき:

申し訳程度にも脳の要素を入れるべくまえがきを書きましたが、本文はほぼ脳とは関係のない私の偏見です。醸造されて後に黒歴史となってくれるといいかなと思っていますが、このブログを黒歴史と呼べるほど将来が明るい保証もありません。とりあえず何かに対する怒りで書いた文章では無いということだけ断っておこうと思います。周りに優しく、気楽に生きていきましょう。

 

(※1)

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

(※2)

ja.wikipedia.org

(※3)

www.weblio.jp